最近、アジア人の少子化が話題ですね~?
人間も動物の一種です。
なぜ、人口密度の高い地域では少子化が進むのでしょうか?
それでは見ていきましょう。
前回の復習
個体群の成長
個体群の成長
個体群(英語:Population)はだんだんと生殖を繰り返し、個体数が増加していきます。個体群の成長とは個体群密度が大きくなることを指します。
成長曲線(ロジスティック曲線)
成長曲線はゆるいS字状になります。
成長曲線のことをロジスティック曲線ともいいます。
個体数が一定になる理由
個体群の成長とともに、食物や住空間の不足、排泄物の増加による環境汚染などの要因によって、個体群の成長が妨げられるからです。
環境抵抗
上記でも書いた個体群の成長を妨げる要因を環境抵抗といいます。
- 食物
- 一個体あたりの生活空間の減少
- 住環境の悪化
- 環境汚染
などの例があげられます。
環境収容力
環境抵抗などによって与えられた環境では、
生物が増加する上限がきます。
その生物が増加できる上限を環境収容力といいます。
密度効果
密度効果
個体群密度が大きくなると、希少な資源を巡る個体群の同種間の争いが激しくなっていきます。また、生物から排泄されるものなどで住みやすさの環境が悪化することなどで、同種間競争が激しくなるのを抑えるため、自ら出生率を下げて、死亡率を上げようとします。
このように、個体群密度の変化が個体の成長や姿、あるいは個体群全体の成長に影響を及ぼすことを密度効果といいます。
密度効果が無ければ、生物は永遠に増加し続けると机上では考えられていますが、
密度効果が世の中には存在するため、減少圧力がかかります。
アズキゾウムシの例
アズキゾウムシはあんこの原料である小豆の種子に孔を開け、その孔に産卵する昆虫です。象の鼻のような吻を持っているため、アズキゾウムシと呼ばれます。
アズキゾウムシは世代交代を進めるとともに、個体数の変動をしつつも、
やがてある環境収容力へと収れんしていきます。
相変異
相変異とは同一種の姿や行動の仕方に、大きな違いが出ること。
密度効果の一種です。
ワタリバッタの例
低密度環境
ワタリバッタは幼虫時代に低密度環境下で育つと孤独相になります。
孤独相のワタリバッタは、
- 長い後ろ脚
- 集合性がない
- 腹部が長い
- 小さい卵を多く産む
などの特徴があります。
高密度環境
ワタリバッタは幼虫時代に高密度環境下で育つと群生相になります。
群生相のワタリバッタは、
- 体色が黒色になります。
- 飛行距離が長い。
- 長い羽。
- 集合性あり
- 少数の大きな卵を産む
という、同じ種でも異なる特徴をもちます。
ホモ・サピエンスの例
心理学者のミルグラムは人口密度の大きい地域では、
身体に入る情報量が過剰になり
自分を守るために、他者にあまり関心を持たなくなると実験で主張しています。
都会のような環境を過剰負荷環境といいます。
都会では動いている物が多く、刺激的な日々を過ごすことが可能ですが、
自分に入ってくる情報量が多いため、自分を守るためにまるで心の仮面のようなものをつけ、他者をあまり助けようとしません。
(高校生以下の皆さんは人間に関しては覚えなくてもいいです。)
そのため、人間も都会と田舎では姿や性質も多少異なってきます。
最終収量一定の法則
植物の種子を様々な密度で植えて栽培し、実験したケースがあります。
低密度の場合は光や栄養分を十分に得ることができ大きく成長します。
一方、高密度の場合は個々の成長が悪くなり、中には枯死するものもでてきます。
これを「最終収量一定の法則」といいます。
(あくまでも植物の場合の話です)
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